システム全体のバックアップソフトの選び方
システムバックアップのソフトとしては,「Acronis True Image 2018」 を選びましょう。
HD革命/BackUp Next Ver.4 は国産ソフトですが,日本メーカーのPCに完全に対応できているわけではありません。多くの人が利用している「Acronis True Image 2018」を選ぶことをお勧めします。
HD革命/BackUp Next Ver.4 について
Ver.3 と Ver.4 の違い
2018年2月23日にアーク情報システムから新バージョンの「HD革命/BackUp Next Ver.4」が販売開始となりました。
公式ホームページによれば,前バージョンのVer.3との違いは,「バックアップ速度の一部高速化をはじめ、新機能の追加、既存機能の仕様の見直しによる安定化、タスク一覧の強調表示よる使いやすさの向上などを行い、前作よりも、更に使いやすくなりました。」と説明されています。
システム全体のバックアップを年に数回行う程度の場合には,完全バックアップ機能があれば十分ですので,追加された機能が必要なければ購入の必要はなさそうです。ただし,最新のハードウェアへの対応が必要な場合は新バージョンがおすすめです。
バージョンをVer.4に切り替えた理由としては,次の2つが考えられます。
①販売・サポートをファンクション株式会社に移管するため。
②Windows 10は今後も大型アップデートが年2回行われるため,対応するためにコストがかかるために,新しくVer.4を買ってもらうため。
Ver.3は,2018年8月31日でサポートが終了し,一切の問い合わせをすることができません。新製品発売後6ヶ月でサポートを打ち切るようです。
Acronis True Image シリーズが新製品発売後12ヶ月でサポート終了になるのと比較すると短くなっています(※1)。
現在Ver.3とWindows 10の組み合わせで利用中の場合,Ver.3が対応するのは,サポート期間内にリリースされたWindows 10 バージョン1803(名称未定)までになることが考えられます。それより後の大型アップデートにより生じる不具合については修正されない可能性が高くなります。
※1 Acronis True Image シリーズも,毎年「2017」「2018」のように新バージョンを発売し,旧バージョンの不具合修正を打ち切っています。定期的に新バージョンを購入する必要がある点は,どのソフトでも共通です。
純国産ソフトウェアの意味
「HD革命/BackUp Next Ver.4」は前バージョンから引き続き「純国産ソフトウェア」,つまり日本で開発されたソフトウェアであると宣伝しています。
「純国産ソフトウェア」の表記をみれば,日本国内で販売されている「メーカー製PC」についても完全に対応しているはずと考えてしまいます。
しかしながら,「HD革命/BackUp Next Ver.3」で指摘した「メーカー製PC」における不具合がVer.3においても,新バージョンのVer.4においても,未だ修正されていないことを知人から聞いたため,その内容を教えてもらい,記事にすることにしました。
不具合の内容としては,ソニー製VAIOのリカバリ領域が正常にバックアップや復元ができないというものです。
知人が,アーク情報システムのサポートとメールで問い合わせした結果を時系列で表すと次の通りです。
【現象】ソニー製VAIOの内蔵ディスク(システムドライブ)のリカバリパーティション(OEMパーティション)が正常にバックアップされない問題がある。
2016年09月18日 上記現象を指摘
2016年09月20日 アーク情報システムサポートからの初回回答
(この間何回かメールのやりとりがあったようです。)
2016年10月11日 アーク情報システムサポートで上記現象の発生を確認。ソニー・DELLなどのPCで発生。「今後のアップデートで修正をすることは決定しておりますが明確な時期については未定となっております」との回答あり。
現状の回避策としては「1.ディスク全体のバックアップを行い、空のハードディスクに復元する場合は、一度リカバリーしてから行う。2.付属の「HD革命/BackUp Ver.12 Lite」を使用する。こちらは、リカバリー不要で空のハードディスクに復元できます。」との回答。
2016年12月14日 アーク情報システムサポートからのメール。「HD革命/BackUp Next Ver.3」がVer.3.1にアップデートされたため上記現象が改善されたか問い合わせた結果,今回のアップデータには上記現象の修正は含まれていないとの回答。
2018年02月16日 アーク情報システムサポートからのメール。新バージョンの「HD革命/BackUp Next Ver.4」が発売されるため,現行最新版のVer.3.1.1と新商品のVer.4のいずれかで上記現象が改善されているか問い合わせた結果,当初はアップデートによる対応が可能と思っていたが,大幅な修正が必要と判明し現状対応できていないとの回答。また,Ver.4の注意事項でメーカー製のリカバリー領域はバックアップがとれないことを記載したとの回答。
もちろんすべての環境に対応するのは難しいことかもしれませんが,一度修正を決定したことを1年以上放置し,修正ができなくなったことについての連絡もせず,新バージョン発売のためもうすぐサポートを打ち切るよ!という対応は,とても残念なものであって,「純国産ソフトウェア」としての利点があまりありません。
Acronis True Image とは異なり,「HD革命/BackUp Next Ver.3」は体験版がないため,購入前に正常に動作をするか分かりません。その分,サポートで事後的に解決することが求められるのでしょうが,知人は十分な対応がされなかったと感じているようです。
以上のような理由から,新発売の「HD革命/BackUp Next Ver.4」の購入を検討している方は,もう一度考え直しましょう。そして,「Acronis True Image 2018」を購入することをお勧めします。
Acronis True Image の強み
Acronis True Image は,全世界で広く用いられているバックアップソフトです。
利用者がとても多いため,トラブルの際にインターネットなどで情報が見つけやすいというメリットがあります。ただし,説明書が英語を直訳したような文体で,あまり分かりやすくないというデメリットもあります。説明書を見なくても基本的な操作はできるため,特に問題にはならないかもしれません。
Acronis True Image WD Edition は,Western Digital(WD)/サンディスクのSSD/HDDを接続していれば無料で使える,True Imageの「機能制限版」です。WinPEブータブルメディアが作成できない(Linuxブータブルメディアは作成できる),差分・増分バックアップができない,などの機能制限がありますが,基本的なバックアップ・復元の機能は付いていますので,たまにシステムをイメージバックアップする用途なら問題ないでしょう。
Acronis True Image の製品版では「WinPEブータブルメディア」が作成できます。「WinPEブータブルメディア」から起動すれば,OSが起動しない状態からでもバックアップを復元することができます。Linuxブータブルメディアに比べて,ドライバの問題が起きにくいメリットがあります。
Acronis True Image の以前のバージョンは,WinPEブータブルメディアの画面表示が英語でしたが,最近のバージョンは日本語で表示されるため,WinPEブータブルメディアの画面表示が日本語であることを理由に「HD革命/BackUp Next」シリーズを選ぶ理由はなくなりました。
Acronis True Image 2018 の注目機能
ランサムウェア対策機能「Acronis Active Protection 2.0」により,疑わしいソフトがファイルを書き換えるのを検知し,ブロックする機能があります。バックアップソフトとしてそれほど使う頻度が高くない場合にも,大切なファイルがランサムウェアによって書き換えられてしまい,読み取れなくなってしまうリスクを防ぐことができます。
「Acronis Active Protection 2.0」は,カスペルスキーやノートン,ESET,マカフィーなどのセキュリティソフトと併用することができますので,より安全にPCを使うことができます。
また,「WinPEブータブルメディア」を1クリックで作成可能になり,便利になりました。
最新のバックアップソフト「Acronis True Image 2018」は下のリンクから確認できます。
![]() Acronis True Image 2018 1台版 |
![]() HD革命/BackUp Next Ver.4 Professional 乗り換え/優待版 1台用 |