「Music Center for PC」で何が変わったか?
ソニーの音楽管理ソフトは名称が変わることが何度もありましたが、今回は、「x-アプリ」のダウンロード提供が終了し、「Music Center for PC」が後継ソフトになりました。
「x-アプリ」インストーラーの入手方法
2018年3月に「ソニー使い方相談窓口」にメールで問い合わせをしましたが、「x-アプリ」のインストーラーの提供は行っていないようです。機器に付属する「CONNECT Player」のCD-ROMを持っている場合は、Windows Vista以前のPCにインストールして利用するよう指示されました。
「CONNECT Player」は動作が不安定なために、以前の「SonicStage」の後継の「SonicStage CP」がリリースされたほどです。そのため、「CONNECT Player」を使う気にはなれません。また、そもそもWindows Vistaはサポートが終了しています。
「x-アプリ」のインストーラーを入手する方法としては、インターネットアーカイブから入手する方法(2018年12月9日現在、ダウンロード可能)と、「メルカリ」や「ヤフオク!」などでCD-ROMを購入する方法があります。
Music Center for PC について
「Music Center for PC Ver.1」の外観は「x-アプリ」とほぼ同じですが、いくつかの機能が削除されています。
2018年12月現在「Music Center for PC Ver.2」にバージョンアップされ、外観デザインが大きく変更されました。Ver.1 は SonicStage や x-アプリ がベースになっていましたが、Ver.2では、ELECTRONベースで設計されているようです。
「x-アプリ」と「Music Center for PC」の比較
× 古いウォークマンに楽曲を転送できない
「Music Center for PC」 は、「NW-A608」(2005年11月発売)に対応していません。古い機種への対応が打ち切られますので、ご注意ください。
ソニーのウォークマン「NW-A608」に付属するCD-ROMには「CONNECT Player」が収録されています。「CONNECT Player」の後継として、従来の「SonicStage」に「CONNECT Player」の機能を追加した「SonicStage CP」(Ver.4.3)がオンラインで提供されました。「NW-A608」を公式にサポートするのは「SonicStage CP」(Ver.4.4)までです。
そして、ソニーは「SonicStage CP」の後継として「x-アプリ」の提供を開始しました。それに伴い、2013年3月に「SonicStage CP」の提供が終了され、「NW-A608」を公式にサポートする音楽転送ソフトは入手ができなくなりました。ただし、動作保証外ではありますが、「x-アプリ」で「NW-A608」を利用することが可能でした。
2017年8月29日に、「x-アプリ」の後継として「Music Center for PC Ver.1」の提供が開始されました。それに伴い、2017年12月に「x-アプリ」の提供が終了しました。
「Music Center for PC Ver.1」で「NW-A608」への楽曲の転送を試みましたが、転送可能な機器として認識されず、全く利用することができません。「NW-A608」は、楽曲データを直接コピーしても再生することはできず、必ずソニーの音楽転送ソフトを利用してコピーする必要があります。そのため、すでに転送済みの楽曲を再生することしかできません。
よって、「x-アプリ」をアンインストールする前に「Music Center for PC」でお持ちのウォークマンに楽曲を転送できるか、試してみることをおすすめします。
Appleの「iTunes」とは異なり、ソニーのウォークマン向け音楽管理ソフトは、何度も名称が変更されています。今後は「Music Center for PC」が継続されることを期待します。
提供期間 | ソフト名 | 対応OS |
終了 | SonicStage | Windows XP SP3 まで |
~2007/11/30 | CONNECT Player | Windows XP SP3 まで |
~2013/3/29 | SonicStage CP・V | Windows Vista まで |
~2017/12 | x-アプリ | Windows 10 対応 (x-アプリ Ver.6.0.02以降) |
2017/8/29 ~2018/10 |
Music Center for PC Ver.1 (SonicStage/x-アプリベース) |
Windows 10/8.1/7 |
2018/10/4 ~提供中 |
Music Center for PC Ver.2 (ELECTRONベース) |
Windows 10/8.1/7 |
2023/4 最新版 |
Music Center for PC Ver.2.6 |
Windows 11/10 |
× CD書き込み機能が削除
「x-アプリ」では、楽曲ファイルをCDに書き込む機能がありましたが、「Music Center for PC Ver.1」では、楽曲ファイルをCDに書き込む機能は削除されました。
ー ATRAC形式でのCDの取り込みが削除
「x-アプリ」では、CDの取り込みの際に「ATRAC形式」が選択できましたが、「Music Center for PC Ver.1」では「ATRAC形式」は選択できなくなりました。
○ CDの取り込みにFLAC形式が選択できる
「x-アプリ」では、無劣化でCDを取り込みたい場合、「WAV形式」のみしか選択肢がありませんでした。「WAV形式」にはジャケット画像やアーティスト名などのタグが他のソフトでうまく機能しないという、互換性の問題がありました。
「Music Center for PC Ver.1」では、無劣化で可逆圧縮の「FLAC形式」での取り込みに対応しています。「FLAC形式」ではジャケット画像やアーティスト名などのタグについて、他のソフトに音楽ファイルを移動した場合も機能します。可逆圧縮のため、「WAV形式」ではCD1枚あたり最大807.5MBの容量が必要になっていたところ、「FLAC形式」で取り込むことにより最大543.6MBの容量に抑えられ、データ容量を節約することができます。
? CD取り込み後のファイル名の修正について
「x-アプリ」では、取り込み後に楽曲のタイトルの変更をすると、HDD上の楽曲ファイルのファイル名も変更されたような気がしたのですが(気のせいかもしれません)、「Music Center for PC Ver.2.0.2」では、HDD上の楽曲ファイルのファイル名が変更されませんでした。